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2006/01/23

ALWAYS 三丁目の夕日

製作年:2005年
製作国:日本
監 督:山崎貴

昭和33年。東京の夕日町三丁目。ある時、鈴木則文が営む鈴木オートに集団就職で上京した六子がやってくる。その鈴木オートの向かいにある駄菓子屋の店主・茶川竜之介は売れない小説家であった。彼はひょんなことから、身寄りのない少年・淳之介の世話をすることになるのだが…。

いつか自動車修理工場を立派に発展させたいという夢。いつか作家として成功させたいという夢。鈴木も茶川も常に希望を抱いている。それが時代背景とうまく符合している。冒頭に飛び立った模型飛行機はその象徴であると思う。

そんな彼らの家庭に六子と淳之介が同時期にやってくる。彼らのエピソードが交互に重ねられ、バラバラになりそうな話を巧みにまとめられている。ありがちな人情話であるが、意外な展開を用意しており、どんどん映画の中に惹き込まれていく。例えば、盗作が知ってからの淳之介の反応、茶川がヒロミに結婚を申し込むときの指輪の顛末など、私が次はこうなるだろうと読んでいた展開を鮮やかに裏切ってくれる。そうしたことが続き、大いに唸らせてくれた。六子の母に対する温かなエピソードと対比させるように、淳之介を捨てた母の一場面が痛烈に残る。

捨てられた冷蔵庫を見つめる氷屋のまなざし。狸に化かされて見る宅間医師の家族との団らん。幻の指輪に涙を流して喜ぶヒロミ。厳しい現実を見据えた逸話も散在させ、物語を陰影深くさせている。人生にはいいことも悪いことも起こりえるから、クライマックスの「50年先だって夕日はきれいだよ」という台詞が重く響いてくるのであろう。

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コメント

こんにちは♪
こんないい映画だからこそロングランが続いているんでしょうね。
いくつかのエピソードを上手くまとめた脚本も素晴らしいですね。
氷屋さんのまなざしは印象的でした。

投稿: ミチ | 2006/01/23 21:43

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