« CODE 46 | トップページ | ラヴェンダーの咲く庭で »

2006/01/06

Dear フランキー

製作年:2004年
製作国:イギリス
監 督:ショーナ・オーバック

何故、フランキーは女の子をダンスに誘わなかったのか。少年が父性を求める中で精神的成長を遂げていくドラマであるならば、フランキーは女の子に声をかけるのが重要なエピソードとなる筈だ。本作品は懸命に生きてきたリジーにギフトが与えられる話なのである。ジェラルド・バトラー扮する臨時の父親との会話の中で、「自分は本当のことを話せないひどい母親だ」というリジーに、「君は立派にフランキーを守ってきたんだ」と返されて、観る者をほろっとさせるのはそういう事であろう。

フランキーの聡明さも光る。あの最後の手紙の伏線は、最初から散りばめられている。彼は小高い丘から港全体を見たり、ペットショップで魚をじっとみつめたりと、観察力に卓越していることを感じさせる。そういう彼は父のいない寂しさを手紙に託しているのだが、虚構は虚構として認識しているのが切なくなる。

ラストシーンもいい。この種のドラマにありがちな結末にしてしまわない。母子、二人が並んで海を見つめる。そこに彼らの新たな関係性を予感させて、胸が熱くなる。

|

« CODE 46 | トップページ | ラヴェンダーの咲く庭で »

製作年:2004年」カテゴリの記事

コメント

ついジェラルド・バトラーに見入ってしまって
本来の映画鑑賞ができていなかったなぁ・・と反省!

そうですよね・・フランキーは聡明で観察力の優れた少年。

母リジーにとってのお話としてみれば、すごく納得できるシーンがたくさんあります!!

投稿: D | 2006/05/28 08:23

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Dear フランキー:

» やや掘り下げが甘いか 「Dear フランキー」 [平気の平左]
評価:75点 Dear フランキー ううむ、期待しすぎたのかもしれないが、ちと拍子抜け。 面白い素材なんだけど、もうちょっと全体的に掘り下げてもよかったようにも思いました。 予告編が上手くできていて、期待させられすぎたのかもしれないけど。 たとえば、ジェラルド・バトラー演じるストレンジャーの心理とか。 フランキーの本当の父親とのこととか。 全体的に心理面など、もうちょっと突っ込んでいっ�... [続きを読む]

受信: 2006/01/06 20:35

» 『Dear フランキー』 [京の昼寝〜♪]
パパからの手紙だけが、僕の心の支えだった。  ■ショーナ・オーバック■キャスト エミリー・モーティマー、ジャック・マケルホーン、ジェラルド・バトラー□オフィシャルサイト  http://www.wisepolicy.com/dear_frankie/おススメ度 ⇒★★★☆ (5★満点、☆は0.5) cyazの満足度⇒★★★★  耳に障害を持つひとり息子に、   世界中を船で旅する架空の父を装い、    ... [続きを読む]

受信: 2006/01/06 21:28

» Dear フランキー [日っ歩~美味しいもの、映画、子育て...の日々~]
映画館で見た予告編からは、「よくある感動名作」という印象しか受けなかったので、観るつもりはなかったのですが、意外にもいろいろなところから良いとの評判を聞くようになり、興味が湧き、観に行ってみました。 で、観てよかったと思います。単なる感動名作ではありませんで... [続きを読む]

受信: 2006/01/06 22:35

» ディア・フランキー Dear Frankie [travelyuu とらべるゆうめも MEMO]
ジェラルド・バトラー、エミリー・モーティマー、 ジャック・マケルホーン主演 カンヌ映画賞で長い間スタンディング・オベィションを取り ロサンゼルス映画祭最優秀観客賞 モントリオール国際映画祭ゴールデン・ゼニース賞 ハートランド映画祭クリスタル・ハート賞を取った作品です フランキーは聴覚障害を持った9歳の少年です 母親リジーとお祖母ちゃんと一緒にスコットランド各地を なぜか転々と渡り歩いています 今度は小さな港町に来ました フランキーのお父さんは客船アクラ号の乗務員として 世界各国を航海してい... [続きを読む]

受信: 2006/01/06 22:42

» Dear フランキー [Cinema-Absolutism]
Dear フランキー  2005/イギリス  ★★★ 監督 ショーナ・オーバック 出演 エミリー・モーティマー / ジャック・マケルホーン / ジェラード・バトラー ■あらすじ■  難聴の少年フランキーは、世界中を船で周っているという父親に月2回手紙を書いていた。しかし、実はその返事を書いていたのは母親のリジーだった。  我ながらそっけないあらすじだ。…  最近、オープニングでその映画の大体が見えてしまう自分が情けなくて嫌になる。  焦点が絞れていない。ストーリーの軸が... [続きを読む]

受信: 2006/01/07 01:00

» 「Dear フランキー」 [the borderland]
映画の予告編って難しいなぁと思う。 耳の不自由なフランキーには、船で世界を回る父親がいる。月に2回手紙をやりとりしているのだが、実はそれは母親リジーが変わりに書いたものだった。ある日、父親が乗った(ことになってる)船がフランキーの街に来ることに。本当のことが言えず、父親代わりを探すリジー、そしてジェラルドバトラー現る、現る♪ 公式サイトもそうだけど、ここまでばらすのはやり過ぎな反面、それを見たから行きたくなったのも事実。それ以上に大きな感動やサプライズがあるのかと思えば、内容を知ってるだけに... [続きを読む]

受信: 2006/01/07 13:41

» 母親への息子の思いが心に沁みた作品◆『Dearフランキー』 [桂木ユミの「日々の記録とコラムみたいなもの」]
8月2日(火) 名演小劇場にて リジー(エミリー・モーティマー)は、息子の9歳のフランキー(ジャック・マケルホーン)を連れ、何度も引越しを繰り返していた。DV癖のある夫から逃げているのだ。フランキーは耳に障害を持っていて、言葉を話そうとしないのだが、それも夫の暴....... [続きを読む]

受信: 2006/01/07 13:59

» 【映画】 Dear フランキー ★★★ [徒然なるままに・・・]
ストーリー: 耳に障害のある息子のフランキーと毒舌家の母を連れて、 リジーはスコットランド中を転々としている。 暴力を振るう夫から逃げ回っているのだ。 フランキーが難聴になったのも夫のせいだったが、 9歳の息子に真実を告げるのは忍びなく、 パパは船乗りで世界中を旅しているのだと教え、 月に二度父親の振りをして手紙を出すと、 フランキーも熱心に返事を書くのだった。 ある日、父が乗っているとフランキーが�... [続きを読む]

受信: 2006/01/08 09:30

» Dear フランキー [★☆★ Cinema Diary ★☆★]
本日2本目は「Dear フランキー」です。   夫の暴力に耐えかね、息子のフランキー(ジャック・マケルホーン)と祖母を連れ逃げ出すことにしたリジー(エミリー・モーティマー)は、以来スコットランドを転々をして暮らしていた。 フランキーはそのせいで耳に障害をも....... [続きを読む]

受信: 2006/01/09 15:37

» Dear フランキー [映画とはずがたり]
エエ話やわぁ〜! すごく評判の高い作品だったので、 ぜひ観たいっ!と思ってたんだけど、 こんなに内容の濃い、感動的な作品だとはっ!!(感涙) 『オペラ座の怪人』のファントム様♪こと ジェラルド・バトラー出演の最新作DVD ということもあり、話題性も充分....... [続きを読む]

受信: 2006/01/29 00:33

» Dear フランキー [tosiブロ 物欲優等生]
とても優しいお話。 [続きを読む]

受信: 2006/02/14 08:51

« CODE 46 | トップページ | ラヴェンダーの咲く庭で »