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2005/12/09

岸辺のふたり

「岸辺のふたり」★★★★(盛岡フォーラム3)
2000年オランダ イギリス 
監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット

自転車に乗った父親と幼い娘が川の岸辺へとやって来る。やがて父親はボートに乗り込むと、娘を岸に残したまま行ってしまった。そしてそのまま戻ってくることはなかった。その日以来、娘は雨の日も風の日も、父親の帰りを待って岸辺を訪れ続けた。やがて月日は経ち、娘も少女から大人へと成長していくのだが…。
第73回アカデミー賞で短編アニメ賞を受賞。

この川の岸辺は生と死の境界線であろう。旅立っていく父親は黄泉の国に行き、女の子はただ父親の帰還を待っているのではなく、父のことを追悼していたのではないか。やがて、年を重ねるごとに海が干上がって草原になっていくのは、彼女自身の死期が近付いていることを表していると思いました。

台詞もなく自転車だけで一人の女性の生涯が浮かび上がる描写が見事である。微妙な体の動きで彼女の年齢が伝わってくる。陰影深い影の表現も美しかった。

哀愁を帯びたアコーディオンの響きも画面によく合っている。

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「★★★★作品」カテゴリの記事

コメント

TBありがとうございました。
8分間という短い時間の中に淡々と、しかし見事に一人の女性の人生が描かれている心に強く残る作品でした。
余談ながら、読んでいらっしゃる本のライナップも興味深く拝見させてもらいました。
久しぶりに船戸与一作品を読みたくなりました。

投稿: nikidasu | 2005/12/09 09:07

はじめまして。
最近、偶然にこの作品を知る機会があって、観ることができました。
たった8分間に凝縮された、人生の寓話。
こんな素晴らしい作品に出会えて本当によかったです。
TB送らせていただきました。

投稿: 悠雅 | 2005/12/14 10:31

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