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2005/12/18

愛についてのキンゼイ・レポート

製作年:2004年
製作国:アメリカ 
監 督:ビル・コンドン

アルフレッド・キンゼイは学生時代、厳格だった父の望んでいた工学科をやめて生物学の道を選んだことで父との関係を悪化させてしまう。その後、インディアナ大学の動物学の助教授となり、教え子であるクララと恋に落ち結婚する。ある時、キンゼイは性の悩みを持つ学生のために“結婚講座”を開講するようになるが…。

規制の概念を打ち破り、一つの夢の実現に賭けて懸命に生きる男。旧社会は彼らの成功が見えてくると徹底的に抹殺しようとする。キンゼイも大いに叩かれた。苦い挫折も味わう。この辺は「アビエイター」(2004)のハワード・ヒューズを思い出す。その痛んだ心を癒し活力を取り戻す森の場面が良い。彼の学者としての原点は森から始まり、森によってその出発点を思い起こされる。こうしたエピソードの構成が抜群に巧い。

ノーマルとアブノーマルの境目はどこで決められるのかという深遠な問い掛けも興味深い。そのことを科学的に検証するためには、膨大な統計を集めていくという事で話は進んでいくが、そうした数字では現われない一人ひとりのドラマが浮かび上がってくる。だが、忘れていけないのは性犯罪者の存在だ。彼らまでノーマルとしていいのか。面談調査の1人にそうした人物を登場させているところに視野の広さを感じる。

本作品を豊かにしているのは、父と息子の関係であろう。高圧的で自分を認めない父に反発する息子。キンゼイは父親となると、息子に対して自分の父と同じような態度をとる。この辺の連鎖が秀逸であるし、また父と和解する場面も大いに心が動かされた。

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コメント

こんにちは♪
テーマが結構重かったです。
キンゼイ博士の時代よりは性はオープンになりましたが、性は究極のプライベートでもあります。
情報ばかりがあふれている世の中にあっても「ほかの人はどうかな?」という好奇心だけはずっと変わらずにあるんでしょうね。
キンゼイ博士と息子の関係、本当に興味深かったです。

投稿: ミチ | 2005/12/18 09:43

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