アマロ神父の罪
製作年:2002年
製作国:メキシコ
監 督:カルロス・カレラ
メキシコのアルダマ地方。将来を嘱望された若きエリート神父アマロは、ベニト神父の手伝いをしながら様々なことを学んでいくはずだった。だが、ベニト神父の腐敗を知りショックを受ける。そんな彼も美しく信仰心の篤い16歳の少女アメリアと親しくなり、許されぬ感情が芽生えていることに気付くのだったが…。
女性を愛するという行為を禁じられた神父は、その存在自体が大いなる矛盾を抱えている。前半に婚姻を許してはといった台詞も出てきたが、人が人を好きになる感情は誰にも止めることはできない。
だが、そうした自己矛盾に逡巡するアマロはただの若き神父でない。枢機卿のお気に入りと言われるだけに、新聞社へ脅しをかけたり、恋人の密会場所をみつけたり、鋭利な頭脳を悪用する腹黒さを持ち合わせている。幕切れも印象深く、こうした宿命に守られた男もいるのだ。彼の無垢なる心は霧散し、腐敗の道を突き進んでいくことを予感させる。
彼とは対称的に、どんどん状況を悪化させていくアメリアの元恋人の姿が哀しく残る。恋人も職も失い、濡れ衣を着せられて、喜びのない人生を過ごすのだろうか。その父親のように。
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