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2005/12/28

変身(佐野直樹監督)

製作年:2005年
製作国:日本
監 督:佐野直樹

湖のある森を彷徨っていると「ジュン」と呼ぶ声が聞こえた。その時、純一は病室で長い昏睡から目覚めた。なぜ病院のベッドにいるのか彼は全く分からなかった。工場で働いていたこと。絵が好きなこと。画材店で働く恵を好きになったこと。勇気を出して恵を誘ったことなど、少しずつ思い出してくるのだが…。

第9回みちのく国際ミステリー映画祭で鑑賞。

最近の流行である記憶を巡る物語だ。だか、来場された佐野直樹監督のお話では、原作が発刊された1991年頃からずっと映画化にしたいと熱望されていたとのこと。それがなかなか果たせなかったが、機会があるごとにこの企画を出し続けて、ようやくその念願が適い初監督作品として完成させることが出来たとのお話でした。この辺は製作までに10数年かかった野村芳太郎監督の「砂の器」(1974)を想起させる裏話でした。

そこまで原作に惚れ込んだのは、記憶を追い掛けるミステリーとしてより、ラブストーリーとしての側面に惹かれたからということでした。映画もそのような作りになっています。これも監督の計算した演出だと言っておられたが、冒頭の純一(玉木宏)と恵(蒼井優)の恋の過程が現代とは思えないくらいシャイで繊細。観ていて気恥ずかしくなるようなものである。それが後半になって効果をあげているのだ。この純朴過ぎる純一がいかに変わっていくのか。激しい感情の推移を玉木宏が巧妙に演じている。

ただ、直接的な感情表現、例えば大泣きしたり、絶叫したり、激怒したりという行為が出てくるものは、仰々しく感じられてあまり好きになれない。舞台ならそれもいいのだろうが、映画の表現としては駄目なのだ。本作品もそれに相当する。

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受信: 2005/12/28 23:26

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受信: 2005/12/29 10:34

» 変身 [オイラの妄想感想日記]
奇談が土ワイなら変身は火サスですね。 東野圭吾作品の中でも『秘密』『悪意』と共に好きな作品なんですよね。 ネタバレアリです。 [続きを読む]

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