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2005/08/16

サマリア

製作年:2004年
製作国:韓国
監 督:キム・ギドク

女子高生のヨジンは刑事をしている父ヨンギと二人暮らし。親友のチェヨンはヨジンと二人でヨーロッパ旅行に行くためと援助交際をするようになっていた。屈託ない笑顔を絶やさず男に身体を売るチェヨンに抵抗を感じながらも、彼女が心配なヨジンは見張り役として行動を共にしていたが…。

第54回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞。

予告編を見て想像していた話と全く違っていた。後半にあのような展開になっていくとは夢にも思わなかったです。このようなドラマを作るキム・ギドク監督に驚嘆したことがひとつ。

贖罪のつもりで起こした行動が、他の誰かを大いに傷つけ、それが新たな罪を生んでいく。人が生きていくことはなんと罪深いものなのか。心に血を流すような思いに囚われる。

男を殴り殺す石。自動車の進行を邪魔する石。娘の自動車教習にために黄色く塗った石。後半になって石が連動して使われている。父親のさまざまな思いの結晶がこれらの石に表現されているのであろう。このような表現方法はまことに見事なもので大いに唸らされる。

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コメント

こんにちは。
私も後半の石の使われ方に感心しました。
チェヨンの死後、ヨジンが贖罪のようにチェヨンと関わった男と関係していくところは私には理解しがたい心理だなぁと思ってみてました。
若さゆえの心理なのか、ある種の狂気にとりつかれていたのか・・・。

投稿: ミチ | 2005/08/17 08:34

障害にも、道を指し示すツールともなりうる「石」。怒りから、公衆トイレで相手にとどめをはたしたのも、「石」でした。

投稿: kimion20002000 | 2005/12/05 20:21

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