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2005/07/31

華氏911

製作年:2004年
製作国:アメリカ
監 督:マイケル・ムーア 

2000年の大統領選挙。激戦と混乱の末にゴア候補を破りブッシュ候補が第43代アメリカ合衆国大統領に就任する。4年の月日が流れるが、マイケル・ムーア監督は一連のブッシュ政権の行動に疑問を抱く。監督は豊富な事実を基に様々な角度からその疑問を追及していくのだが…。
第57回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞。

確かにブッシュ批判に満ちた作品であるが、その裏側にはメディアへの強烈な批判もある。一般のメディアでは問われることのない疑問の追及。4年前の大統領選の疑惑は、フロリダ州の当確の逆転報道から始まったとする冒頭から、その追求に揺ぎ無い。

それにしても、製作プロダクションによる出資契約の反故、ウォルト・ディズニー社による配給禁止など障害があったにせよ、現役の大統領に対してここまで激しい批判をする映画が製作され一般公開までされるということに瞠目する。まだまだアメリカ社会に自由があることを感じさせる。

また、こうした反骨心を持った映画人も近年珍しく、私は大いに支持したい。後半のイラクの映像も歴史に残り得るものだ。

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カンヌでパルムドールを取り、大統領選を左右するとまでいわれたムーア監督の話題作。 [続きを読む]

受信: 2005/07/31 20:31

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受信: 2005/07/31 20:38

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受信: 2005/07/31 21:48

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受信: 2005/07/31 22:21

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受信: 2005/08/01 10:07

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受信: 2005/08/01 18:06

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うむ、これはただのブッシュ批判? それならそれでいいけど、これはあくまで真実の一部であって全てではない、という事を念頭に置くべきかな、と。 息子さんを亡くされたお母さんのコメントが印象的でした。「人はあまりにも無知だ」と。 もっと知ろうとする事が必要で、知るための努力を怠ってはならない、と思いました。 それと、リーダーを選ぶのは私たち。選んだからには文句は言えないし、文句を言いたくな�... [続きを読む]

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受信: 2005/08/03 21:06

» 「華氏911」 [the borderland]
前作のようなブラックユーモアを期待している方には、向いてないです。 マイケル・ムーアは、ほとんど出てこなくて、ほとんどセリフのみ。もちろん彼らしい場面もあるけれども、全体的には笑えません。私は、やるせなさや怒りの気持ちの方が、はるかに大きかったです。 でも、現役の大統領相手に喧嘩売ってるんだから、それで良かったんじゃないかと。もっと軽いタッチで描くことはできたはずだが、そうすると彼の決意が中途半端なのもに見えてしまうし、観客にも伝わりません。 この作品がドキメンタリー映画であって、事実... [続きを読む]

受信: 2005/08/05 23:53

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