華氏911
製作年:2004年
製作国:アメリカ
監 督:マイケル・ムーア
2000年の大統領選挙。激戦と混乱の末にゴア候補を破りブッシュ候補が第43代アメリカ合衆国大統領に就任する。4年の月日が流れるが、マイケル・ムーア監督は一連のブッシュ政権の行動に疑問を抱く。監督は豊富な事実を基に様々な角度からその疑問を追及していくのだが…。
第57回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞。
確かにブッシュ批判に満ちた作品であるが、その裏側にはメディアへの強烈な批判もある。一般のメディアでは問われることのない疑問の追及。4年前の大統領選の疑惑は、フロリダ州の当確の逆転報道から始まったとする冒頭から、その追求に揺ぎ無い。
それにしても、製作プロダクションによる出資契約の反故、ウォルト・ディズニー社による配給禁止など障害があったにせよ、現役の大統領に対してここまで激しい批判をする映画が製作され一般公開までされるということに瞠目する。まだまだアメリカ社会に自由があることを感じさせる。
また、こうした反骨心を持った映画人も近年珍しく、私は大いに支持したい。後半のイラクの映像も歴史に残り得るものだ。
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» 華氏911 [雨の日の日曜日は・・・]
カンヌでパルムドールを取り、大統領選を左右するとまでいわれたムーア監督の話題作。 [続きを読む]
受信: 2005/07/31 20:31
» 華氏911 [ネタバレ映画館]
『ボウリング・フォー・コロンバイン』を観た時ほどの衝撃度は無かったが、マスコミで宣伝しているほどブッシュ批判に徹しているとも思えず、むしろ後半の反戦色を全面に出した、考えさせらるドキュメンタリー映画としての印象が強い。
前半はブッシュ親子のダーク・サイド、すなわち大統領選挙の不透明な部分やビン・ラディン一族との関係、といったブッシュ批判に終始しているのだが、単なる共和党に対する政治批判に利用さ... [続きを読む]
受信: 2005/07/31 20:38
» ★★★★「華氏911」マイケル・ムーア、ジョージ・W・ブッシュ [こぶたのベイブウ映画日記]
普段、政治に興味を持たない人が、興味を持つ切っ掛けになるような作品だった。この映画を観ると、賛同する人も、批判する人も、戦争のこと、平和のことを、考えさせられてしまう。メディアの情報操作、階級問題、貧困、無知などを、つい考えさせられてしまうのです。そん...... [続きを読む]
受信: 2005/07/31 21:48
» 華氏911 [I LOVE CINEMA +]
華氏 911 コレクターズ・エディション
9.11当日、ブッシュ大統領がフロリダの小学校で飛行機突入の1報、2報を聞いて、途方に暮れているような表情をしています。2報を聞いた後も数分間座ったまま動かず、表情だけが不安と落ち着きのなさ、思考が停止したのか、目がうつろになっていました。一国の大統領だとて、未曾有の出来事を前にしては、こんなものなんだろうか。。。
強く印象に残った2点
イラクで戦死した兵士の母親の嘆き、息子が戦死するまでは大統領を信じていたけど、ようやく心の中の痛みや... [続きを読む]
受信: 2005/07/31 22:21
» 『華氏911』、観ました。 [肯定的映画評論室Blog支店]
「人は何と無知なのだろう。知ってるつもりが何も知らなかった。」、、自分の息子をイラク戦争で亡くしたアメリカ人女性の叫び‥‥、ボクが今作中で一番心に残った台詞だ。自分の子供を失った経験はない。しかし、ボクが察するに余りある彼女の心情を考えれば、涙が溢れ、そ... [続きを読む]
受信: 2005/08/01 10:07
» イラク戦争から学ぶこと(「華氏911」) [読みたい放題の一日]
私の大学卒業式はイラク戦争開始の日だった。当時からイラクが大量破壊兵器を所持し、テロとの関連があるとアメリカは主張していた。しかし、その証拠は存在しなかった。そのため、イラク戦争は大儀なき戦争といわれていた。開戦から2年間たって証拠は現在もでてこないこ...... [続きを読む]
受信: 2005/08/01 18:06
» 【華氏911】 [ただの映画好き日記]
うむ、これはただのブッシュ批判?
それならそれでいいけど、これはあくまで真実の一部であって全てではない、という事を念頭に置くべきかな、と。
息子さんを亡くされたお母さんのコメントが印象的でした。「人はあまりにも無知だ」と。
もっと知ろうとする事が必要で、知るための努力を怠ってはならない、と思いました。
それと、リーダーを選ぶのは私たち。選んだからには文句は言えないし、文句を言いたくな�... [続きを読む]
受信: 2005/08/02 21:43
» 華氏911 [PICO*THEATRE]
主演/ショージ・W・ブッシュ好き度:★★★★■前評判ほど「ブッシュ嫌い!!」という感情的な憤りはかんじませんでした。いや嫌いは嫌いなのでしょうけれど。そして「反戦」に関してはかなり中立に演出されていました。■訴えていることは普遍的といえます。しかし、対象が今現在も進... [続きを読む]
受信: 2005/08/03 21:06
» 「華氏911」 [the borderland]
前作のようなブラックユーモアを期待している方には、向いてないです。
マイケル・ムーアは、ほとんど出てこなくて、ほとんどセリフのみ。もちろん彼らしい場面もあるけれども、全体的には笑えません。私は、やるせなさや怒りの気持ちの方が、はるかに大きかったです。
でも、現役の大統領相手に喧嘩売ってるんだから、それで良かったんじゃないかと。もっと軽いタッチで描くことはできたはずだが、そうすると彼の決意が中途半端なのもに見えてしまうし、観客にも伝わりません。
この作品がドキメンタリー映画であって、事実... [続きを読む]
受信: 2005/08/05 23:53
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