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2005/06/26

めぐりあう時間たち

製作年:2002年
製作国:アメリカ
監 督:スティーブン・ダルドリー

1923年ロンドン郊外。ヴァージニア・ウルフは新作「ダロウェイ夫人」を書き始める。1951年ロサンゼルス。妊娠中の主婦ローラは夫の誕生日を祝うためケーキを焼く。2001年ニューヨーク。編集者のクラリッサはエイズに冒された友人のリチャードが名誉ある賞を受けた記念のパーティを企画するが…。
第75回アカデミー賞でN・キッドマンが主演女優賞を受賞。第53回ベルリン国際映画祭で主演3人そろって主演女優賞を受賞。

本作品を二回観ています。最初観た時に掴めなかった事が、二回目でやっと捕らえることができました。つまり、この映画は様々な死と向き合う事で生を取り戻していく女性の一日のドラマなのである。

一番取り違えていたのは、ヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)の話。冒頭と最期に挿入される彼女の入水自殺。彼女は人生の敗残者として死んでいくのではない。精神病の再発を恐れ、自分の望むような生活を生きられない彼女は、その夜に覚悟した。「もし、病気が再発したらその時は自ら命を絶とう。その時が来るのを恐れずに精一杯に生きていこう」と思い定めた夜であったのだ。自殺の結論には正しいかどうかは議論の分かれるところである。これは一種の尊厳死であったのだ。少なくとも、彼女は自分の死期をはっきりと決めたことで、改めて生を取り戻したのは間違いない。

冒頭で流れる夫への遺書の言葉は、その後の人生を懸命に生きた彼女の悔いなき日々を綴ったものだ。ローラ(ジュリアン・ムーア)もクラリッサ(メリル・ストリープ)も、死と直面することで、その夜に改めて生きていくことを決意した一日であった。そういう三人の人生が重なる。

徐々に徐々に感情を高ぶらせるフィリップ・グラスの音楽も素晴らしかった。

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コメント

ヴァージニア・ウルフが尊厳死ですか・・・なるほど・・・。

投稿: chibisaru | 2005/08/23 11:06

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