« めぐりあう時間たち | トップページ | ハッシュ »

2005/06/27

ピアニスト

製作年:2001年
製作国:フランス/オーストリア
監 督:ミヒャエル・ハネケ
原作:エルフリーデ・イェリネク
出演: ブノワ・マジメル
   アニー・ジラルド アンナ・シガレヴィッチ

子供の頃から母の夢でもあったピアニストになるため、母親に厳しくしつけられたエリカ。しかし、ピアニストにはなれず、名門国立音楽院でピアノ教授となっていた。異性に触れることもなかったエリカだったが、ある時、生徒のワルターから恋の告白を受けるのであるが…。
第54回カンヌ映画祭で審査員特別グランプリ、イザベル・ユペールが主演女優賞、ブノワ・マジメルが主演男優賞を受賞。第27回セザール賞でアニー・ジラルドが助演女優賞を受賞。

上記のようにカンヌ国際映画祭で3部門受賞したという以外、内容的には前知識もなく観ました。ポスターのイメージから音楽家の恋愛ドラマだろうと予想していたら、あまりの凄まじい内容に唖然としてしまいました。まず、この驚きがひとつ。

その内容については語りませんが、席を立ちたくなるような居心地の悪さをおぼえました。この感じは若松孝二監督の「水のないプール」(1982)を見て以来のことであります。

もっとも不可解だったのは、幕切れのエリカ(イザベル・ユペール)の行動。自殺にしてはあまりに中途半端だし、怒りの納めどころをなくし思い余って自分の胸を突いたのかと思っておりました。しばらくしてキネマ旬報を読んでいたらこの行動の意味を解説してあり、大いに感銘を受けました。彼女が傷つけていたのは、指先に関係する筋らしい部分であり、つまり、そこを切断すればピアニストとしてのキャリアを終えるということであったのだ。そうであれば、私が漠然と感じていたことでなく、非常に重要な意味を持つ場面になる。彼女を束縛してきた世界から自ら解放し、新たな旅立ちととらえることもできるのだ。映画を読み解くという事は実に奥の深いものである。

|

« めぐりあう時間たち | トップページ | ハッシュ »

製作年:2001年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/59722/4732442

この記事へのトラックバック一覧です: ピアニスト:

» ピアニスト ★★★★★ [マダム・クニコの映画解体新書]
観終わった後、すぐには立ち上がれなかった。エリカと母親の壮絶な関係性が、あまりにもリアルで、痛ましくて・・・。衝撃的なラストシーン。エリカは自分の胸にナイフを突きたてて、抑圧の真因である自分の中の「母」を殺す。彼女が「真の私」を確立して生きるには、母親との同一化から抜け出すしかなかったのだ。 父親を亡くしたピアノ教授のエリカと母親は、互いを同一化することで、長年蜜月の日々を過ごしてきた。だ�... [続きを読む]

受信: 2005/06/28 10:58

» ピアニスト [北風ミナミ]
ピアニスト あらすじ●●● ピアノ教師の中年女性エリカは、異常な干渉をしてくる母親と二人で暮らしている。 ある日、かっこよくて才能ある学生ワルターに恋をされるが、 特殊な家庭環境からか、エリカは他者からは理解され難い性癖の持ち主だった。。。 綺麗なパッケージにつられて借りてみたら。。。 い、痛い。 主人公、変態すぎるよ。 ワルター、逃げろ!って思ってました。怖いってば。 でも母親の頭もおかしいし、あんな母親に育てられたら 絶対歪んできちゃうよ。 その歪みは、修復できずに... [続きを読む]

受信: 2005/07/22 00:05

» 「ピアニスト」 愛を伝える [映画のセリフで口説いてみない?(男性版)]
ウィーン。エリカは幼い頃からピアニストになるために、母に厳しく教育を受け、恋人をつくることも許されなかった。現在は名門ウィーン国立音楽院のピアノ科の教授をしている。母は、エリカが40歳を過ぎた中年になった今も、彼女を監視し、二人で暮らしている。ある日、小さな演奏会で、青... [続きを読む]

受信: 2005/08/04 19:11

« めぐりあう時間たち | トップページ | ハッシュ »