スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする
製作年:2002年
製作国:フランス/カナダ/イギリス
監 督:デイヴィッド・クローネンバーグ
ロンドンの古びた家へ鞄ひとつ持ってやってきた男がいた。そこは精神療養施設を退院して、行く当てのない患者を預かる家だった。薄暗い部屋で、男は小さなノートに何かを書き始める。彼の記憶の中には、現実とも妄想ともつかないもうひとつの過去が、静かに糸を張り巡らせていたが…。
鬼才D・クローネンバーグ監督の作品なので、心の準備は万端。「戦慄の絆」(1988)や「裸のランチ」(1991)を観ていれば、この程度の難解さは予定調和と言っても良い。
もっとも興味深いのは現実と虚構の狭間を行ったり来たりして、その境界性が曖昧になるところ。その感じが塚本晋也監督の「ヴィタール」(2003)を想起させます。
統合失調症(精神分裂症)の男をレイフ・ファインズが迫真の演技で見せる。彼が抱え込む心の闇がひしひしと伝わってきます。
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