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2005/05/19

船を降りたら彼女の島

製作年:2002年
製作国:日本
監 督:磯村一路

東京の出版社に勤める久里子は久しぶりに瀬戸内海に浮かぶ“瀬ノ島”へ帰郷した。父親は教職を定年退職し母親と共に廃校になった小学校を改装し民宿を営んでいた。彼女は東京で報道カメラマンをしている充生との結婚を決意し、両親に報告しようと思ったのだ。しかしいざ父親の姿を前にすると伝えられずにいたが…。

「がんばっていきまっしょい」(1998)で見せた磯村一路監督の静かな演出ぶりは健在。一つ一つの場面が非常に美しく堪能した。また、押尾コータローの叙情的なギターの響きも耳に残る。

だが、本作品にもうひとつ馴染めないのは、帰宅してなかなか結婚の話を父親に切り出せないでいる娘の心情が分からないこと。二人の間に厳しい確執があった訳でもなさそうだし。島を出ることも学校のことも就職のことも、みんな自分で決めてきた久里子(木村佳乃)。その彼女がどうしてここまで逡巡するのか。そこが理解できないので昔の同級生を探していく展開が不自然に感じる。

映画の早い段階で両親に結婚の話をして、その後、荷物の整理をしながら初恋のことやおばあちゃんの話を思い出すという方がずっとすっきりするはずだし、その方がこの主人公には合っていると思う。

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船を降りたら彼女の島 2002年 112分 ★★★☆☆ 監督:磯村一路 出演者:木村佳乃・大杉漣・照英 突然の帰郷をして、ある一言を父親に言えない娘と、心配はしているのだが何も聞く事が出来ない父親の微妙な関係を描いた作品。 また懐かしさから、あちこちを巡る事で愛媛..... [続きを読む]

受信: 2005/05/19 21:12

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主演木村佳乃、照英、村上淳、大杉漣、大谷直子 監督・脚本磯村一路 製作2002年、日本 故郷を捨てる時 東京で働いている女性の、両親が暮らす故郷への思いを描いた作品。 河野久里子(木村佳乃)は東京の出版社に勤務していたが、カメラマンの高原充生(村上淳)と結... [続きを読む]

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 人が抱えている近代性と前近代性、つまり現在と過去との関係を、久里子の帰郷を通して描いている。一度近代という回路を通過した者は、もう元には戻れないし、戻る必然性はない。しかし、過去の痕跡を手がかりに変容していく。それは、今を生きる観客の私達に通じるありようなのだ。ほの暗い場所に灯る明かりのシーンが多いが、暖かさ=前近代性を象徴しているのである。  都会に出てマスコミという近代産業に従事している久... [続きを読む]

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