船を降りたら彼女の島
製作年:2002年
製作国:日本
監 督:磯村一路
東京の出版社に勤める久里子は久しぶりに瀬戸内海に浮かぶ“瀬ノ島”へ帰郷した。父親は教職を定年退職し母親と共に廃校になった小学校を改装し民宿を営んでいた。彼女は東京で報道カメラマンをしている充生との結婚を決意し、両親に報告しようと思ったのだ。しかしいざ父親の姿を前にすると伝えられずにいたが…。
「がんばっていきまっしょい」(1998)で見せた磯村一路監督の静かな演出ぶりは健在。一つ一つの場面が非常に美しく堪能した。また、押尾コータローの叙情的なギターの響きも耳に残る。
だが、本作品にもうひとつ馴染めないのは、帰宅してなかなか結婚の話を父親に切り出せないでいる娘の心情が分からないこと。二人の間に厳しい確執があった訳でもなさそうだし。島を出ることも学校のことも就職のことも、みんな自分で決めてきた久里子(木村佳乃)。その彼女がどうしてここまで逡巡するのか。そこが理解できないので昔の同級生を探していく展開が不自然に感じる。
映画の早い段階で両親に結婚の話をして、その後、荷物の整理をしながら初恋のことやおばあちゃんの話を思い出すという方がずっとすっきりするはずだし、その方がこの主人公には合っていると思う。
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