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2005年3月

2005/03/31

ケミカル51

製作年:2002年
製作国:アメリカ/イギリス/カナダ
監 督:ロニー・ユー

薬理学者の夢を断たれ、ドラッグ精製人に身をやつしたエルモ。開発したばかりのドラッグ"POS51"の直取引のため、ボスを裏切りロサンゼルスからリヴァプールに渡る。だが、ボスが放った殺し屋によって取引が妨害される。彼はチンピラのフィーリクスと組んで、取引を進めようとするが…。

原題が“The 51st State”と言うことで、イギリスはアメリカの51番目の州ではという皮肉になっている。が、そこでイギリスらしさというのは何かというと、自動車の走行車線が違うとかサッカー狂であるという事が挙げられているぐらいで、アメリカ人に対する敵愾心のみが強調されている。そこら辺をもう少し詳しく描いて欲しかった。

ロバート・カーライルは本当にこういう役柄がよく似合う。キャラクターに真実味を感じます。1990年代後半、元気だったイギリス映画を支えた一人であることを再認識します。

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2005/03/30

カンフーハッスル

製作年:2004年
製作国:中国 
監 督:チャウ・シンチー
出演:チャウ・シンチー ユン・チウ
    ユン・ワー ドン・ジーホワ

チャウ・シンチーが本当にブルース・リーを好きな事がよく伝わってきます。アクション指導に「マトリックス」(1999)や「グリーン・デスティニー」(2000)のユエン・ウーピン、そしてあのサモ・ハン・キンポーまで参加している。もちろんコメディー要素の強い作品であるが、アクションにも本気で取り組んでいることがこのスタッフでも分ります。

映画の面白さは、見た目とカンフーの実力にひどいギャップがあり、その落差が徹底して何度も描かれている。そこに笑いが生じるが、同時に物語へ引き込まれカタルシスを味わうことにもなります。

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2005/03/29

写楽

「写楽」★★★★(BS)
1995年日本 監督:篠田正浩
原作:皆川博子
出演:真田広之 フランキー堺 岩下志麻 葉月里緒菜

寛政3年の江戸。市川團十郎の舞台を見物していた大道芸人のおかんは、團十郎の上る梯子を支える役者が
その梯子に足を潰されているのを発見する。彼女は役者として使いものにならなくなった彼を、大道芸の道に引き
込むが…。

江戸という華やかな時代に生きた人々のエネルギッシュな息遣いとバイタリティー溢れる生命力。絢爛たる町人
文化を支えた絵描きや物書きが次から次へと登場し、画面を飽きさせない。

篠田監督は昭和の時代を描こうとして「スパイ・ゾルゲ(2003)を製作したが、あまり成功したとは言えない。だが、本作は同じような趣旨で江戸の時代を見事に表現している。

企画総指揮も担当したフランキー堺が気風のいい台詞を聞かせてくれる。

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2005/03/28

ふくろう

製作年:2003年
製作国:日本
監 督:新藤兼人

国策によってつくられた東北のある開拓村。当初は20家族が入植したこの村も、今では38歳の母と17歳の娘が住むだけとなった。この荒涼たる不毛の地を開拓することはあまりにも困難で、みな次々と脱落し村を離れていったのだった。餓死寸前まで追い詰められた二人は、ある決心をするが…。
2003年モスクワ国際映画祭で大竹しのぶが主演女優賞を受賞。

新藤監督、91歳にしてこんなブラック・コメディを製作するとは!その事だけでも称賛に値します。デフォルメされた笑いの中に、国策に翻弄され、過酷な生涯を生きた人々の深い嘆きが聞こえてきます。

二人の母娘は、ある一線を越えて人間から動物になった。肉食動物が生きていくために弱小動物を襲うように、男たちを次々に殺害していく。男達が絶命するときに動物の鳴き声をかぶせているのは、そういった意味でないか。

彼女達を見守り続ける神々しいふくろう。

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2005/03/27

ハウルの動く城

製作年:2004年
製作国:日本
監 督:宮崎駿

魔法と科学が混在する世界のとある国。父の遺した帽子店を切り盛りする18歳のソフィーは、ある日、美貌の魔法使いのハウルと出会う。その夜、彼女は荒地の魔女に呪いをかけられて90歳の老婆にされてしまうが…。

何故、ソフィーは老婆になっても大騒ぎすることなく淡々と受け入れ、自分の家から出て行くのか? 何故、物語が進んでいく中で、ソフィーの外見が微妙に変化していくのか? この辺に荒地の魔女がかけた呪いの秘密があるし、ソフィーの行動に必然性が生じてくる。

ただ、もう一つ理解できなかったのは、ハウルとカルシファーの結んだ契約の意味。ハウルがそれに寄って魔力を増したというのは分るが、カルシファーにとってなんのメリットがあったのだろうか? 

どうも一度観ただけではよく消化しきれない。

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2005/03/26

山猫は眠らない 2 狙撃手の掟

製作年:2002年
製作国:アメリカ
監 督:クレイグ・R・バクスリー

かつて伝説の狙撃手と呼ばれたベケットは海兵隊を疾病除隊し、ハンターのガイド職に身を置いていた。ある日、軍情報部大佐とCIAの2名が訪ねてくる。バルカン半島が危機的な状況にあり、首謀者の将軍暗殺を依頼されるが…。

ドラマ的にもう一つ盛り上がってこないのは、伏線となるエピソードが後半に繋がってこないこと。

視力が低下し、照準がぶれるベケット(トム・ベレンジャー)。この老いの問題をいかに克服していくのか描かれていば、普通のB級アクションにならず、もっと深みのある作品になったことだろう。また、橋の検問をあっさり突破してしまうなど細部の詰めが甘い。

ベケット達を助ける地下組織の女性にエリカ・マロジャーン。どこかで観たことがあるなぁと思っておりましたが、「暗い日曜日」(1999)でヒロインのイロナを演じていた女優さんでした。

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2005/03/25

沈黙の戦艦

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製作年:1992年
製作国:アメリカ
監 督:アンドリュー・デイヴィス
出演:スティーヴン・セガール トミー・リー・ジョーンズ
    ゲイリー・ビジー エリカ・エレニアック

米海軍最大最強を誇るミズーリ号。現役を退くことになり、ハワイから太平洋を横断し帰路につく。だが、艦長の誕生パーティーに乗じてテロリストに乗っ取られてしまう。この船のコック、ライバックは一人だけで立ち向かうが…。

スティーヴン・セガールの絶頂期の作品。限られた空間、限られた武器でいかにして敵と戦うか。そういう点で「ランボー」(1982)や「ダイ・ハード」(1988)を思い浮かべるが、そのディティールがもうひとつ物足りない。

電子レンジを使った仕掛け爆弾を瞬時にセットするなど、元先鋭の秘密戦闘員らしいところもあるが、後半の展開がやや安易過ぎる。もう少し彼が追い込まれる状況があっていいのではないか。

トミー・リー・ジョーンズの存在感のある悪役ぶりが印象深い。

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2005/03/24

マイ・ボディガード

製作年:2004年
製作国:アメリカ 
監 督:トニー・スコット

元CIAの特殊部隊員クリーシーは、これまで米軍の対テロ部隊に所属して暗殺の仕事を続けてきた。そのためか心を閉ざし、生きる希望を見失っていた。そんなある日、メキシコで護衛の仕事を請け負うことになるが…。

思わぬところで人生の変わる出会いがある。生きる意欲をなくし酒びたりのクリーシー(デンゼル・ワシントン)は、少女(ダコタ・ファニング)の無邪気な笑顔や素直なやさしさが胸にしみわたり、いつしか微笑みを取り戻す。

そのプロットはいい。だが、原作とは決定的に違う展開がクリーシーの凄みを弱めているような気がする。そして、犯人を追い詰めていく過程の描写がいささか甘い。あんなに露出度が高いと敵に反撃されてしまうのではないか。

トニー・スコット監督らしいスタイリッシュな映像は、観ていると段々疲れてくる。

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2005/03/23

ホテル・ニューハンプシャー

「ホテル・ニューハンプシャー」(BS)★★★★
1984年アメリカ 監督:トニー・リチャードソン
原作:ジョン・アーヴィング
出演:ジョディ・フォスター ロブ・ロウ
    ボー・ブリッジズ ナスターシャ・キンスキー

1939年。大学入学をめざすウィンはホテルのバイト中に同郷のメアリーと出会い恋に落ちた。結婚した二人は5人の子供に恵まれた。ウィンは、家族全員がいっしょにいられることを理由にホテル経営にのり出すが…。

家族に様々な悲劇が襲い掛かる。それらを奇妙なユーモアを交えながら描いている。それがこの映画を明るくさせ、さわやかな感じを残る要因だろう。

「人生はおとぎ話」っていう最後のセリフが効いている。辛い事、哀しい事があっても、気の持ちようである。

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2005/03/22

死ぬまでにしたい10のこと

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製作年:2003年
製作国:スペイン/カナダ
監 督:イザベル・コヘット

23歳のアンは母親の家の裏庭にあるトレーラーハウスで失業中の夫と幼い2人の娘とで暮らしていた。ある日、彼女は腹痛に襲われて病院に運ばれる。そして検査の結果、医師から余命2ヵ月の宣告を受けるが…。

この映画は雨の中のモノローグから始まる。ここで塚本晋也監督の「六月の蛇」(2002)を連想させます。雨に打たれる場面は、魂の再生を意味しているのでしょうか。全編、詩的な表現で統一されています。

だから感涙を誘うということもなく、淡々とした感じで映画は終わっていきます。

グラスを奏でる青年が2度登場してきます。このグラスが10個あったかどうか定かでありませんが、彼女がやりたかったことを象徴していると感じました。

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2005/03/21

ぼくセザール 10歳半 1m39cm

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製作年:2003年
製作国:フランス
監 督:リシャール・ベリ

セザールは10歳半、1m39cmの男の子。学校ではまるで目立たない存在。彼は転校してきたばかりのサラに恋していた。しかし彼女にどうアピールしたらいいか分からず悩んでいた。ある日、彼の父親が居なくなってしまうが…。

子供たちがロンドンに向かう冒険譚に少し不満。大事な時に大人に助けられてしまうのだ。困難なとき、もっと自分達の知恵と行動で切り抜けるエピソードが欲しかった。

だが、彼らを助けるグロリアに注目。アンナ・カリーナが演じているのだ。ゴダール映画を颯爽と駆け抜けたヒロインが、現在ロンドンに暮らしていると想像する。なんだが楽しくなってきた。

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2005/03/20

ダンス・ウィズ・ウルブズ

「ダンス・ウィズ・ウルブズ」★★★★(BS)
1990年アメリカ 監督:ケヴィン・コスナー
原作:マイケル・ブレイク
出演:ケヴィン・コスナー メアリー・マクドネル
    グレアム・グリーン ロドニー・A・グラン

自殺的行為から英雄となり、勤務地を選ぶ権利を与えられたダンバーは、ダコダにあるセッジウィック砦を望んだ。彼は、愛馬シスコとトゥー・ソックスと名付けた野性の狼と共に、不思議に満ち足りた日々を送り始めるが…。
1990年・第63回アカデミー賞で作品賞、監督賞をはじめ7部門を受賞。

今回観たのは4時間アナザーバージョン。それでもよくらなかったのはダンバー(K・コスナー)の過去である。冒頭、負傷した足を切断される事を拒否し、痛みを堪えながら無理にブーツを履く場面で、相当の頑固者であることは分る。

だが、十字架のように腕を伸ばして敵に突入していく自殺的行為の理由が見当たらない。そんな男が「フロンティア(開拓前線)を見たい、それが失われる前に」と思うのは何故か。どうもこの辺が曖昧で、ダンバーという男に共感できないでいた。

シスコやトゥー・ソックスら動物たちとの交情シーンに胸熱くなる。

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2005/03/19

ワイルド・レンジ 最後の銃撃

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製作年:2003年
製作国:アメリカ
監 督:ケヴィン・コスナー

1882年のアメリカ西部。4人の男たちは、定まった牧場を持たず草原を移動しながら牛を育てる“フリー・グレイザー”という牧畜で生活していた。ある時、彼らの一人モーズが買い物に行ったまま帰ってこなくなるが…。

ケヴィン・コスナーは脇役に回った方が味わい深い演技を見せる。主演の時には、どうしてあそこまで自己愛が剥き出しになるのか不思議だ。

本作品の主演はロバート・デュバルであるが、貫禄溢れる存在感を発揮し、気持ちよさそうに演じている。

久々に観る本格的西部劇。雄大で美しい風景描写の中に、名作西部劇の残像が映る。開拓時代の終りを感じ、家族という安定に戻っていこうとする男達の心情がよく描かれている。

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2005/03/18

スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー

製作年:2004年
製作国:アメリカ
監 督:ケリー・コンラン

1939年のニューヨーク。著名な科学者が連続で失踪した事件を追う女性記者ポリーの前に巨大ロボの大群が現れる。ロボに襲い掛かる間一髪のところを、元恋人で空軍の凄腕パイロット、スカイキャプテンに救われるが…。

レトロ・フューチャーな映像世界が圧巻である。全編セピア色の色調で昔の冒険活劇のイメージを喚起させる。日本でも「CASSHERN」(2004)があり、同じ年に同じような映像世界を生んでいるのが興味深い。

カメラの残フィルムをキーにしたジュード・ロウとグウィネス・パルトローの掛け合いも楽しく、安易なメロドラマに収まらないところが実に楽しい。

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2005/03/17

アンテナ

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製作年:2003年
製作国:日本
監 督:熊切和嘉

大学生・祐一郎は、幼い頃に妹・真利江が失踪したことで、現在も自責の念に苦しんでいた。当時、真利江の隣に寝ていたのに気づかなかった彼を、母・房江は責め続けた。房江はその事件以来、宗教にハマってしまう…。

妹が突如消えてしまった喪失感。残された家族はその傷が癒えぬまま、心の中で血を流しつづける。現在は使用されず森の中に取り残されたままの鉄塔。家族に傷を思い出させる象徴であろうか。

押しつぶされそうな閉塞感と緊張感に満ちた家。兄弟で壁を壊すことが再生の一歩。

加瀬亮の演技をほめる批評を多く目にするが、私が一番印象深いのは母役の浅丘めぐみ。最後にクレジットを見るまでは、当人とは思わせないほど、重い存在感を見せる。

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2005/03/16

鏡の女たち

「鏡の女たち」★★★★(BS)
2002年日本 監督:吉田喜重
出演:岡田茉莉子 田中好子 一色紗英 室田日出男

東京郊外の閑静な住宅街に住む川瀬愛。娘・美和は20歳の時に家出をし、4年後に帰ってきた。だが美和は娘の夏来を生むと、赤子を残し再び姿を消してしまう。24年後、愛のもとに、市役所から連絡が入るのだが…。

鏡の中に映る自分の姿。それは自分であって自分でない不思議な存在。そこにアイデンティティーの暗喩を感じました。

自分の存在意義が見出せない苛立ちから、鏡を割ってしまう美和(田中好子)。

映画のタッチはかなり硬質で、演劇的台詞廻しが緊迫感を高める。名脇役、室田日出男の最後の映画出演作品としても記憶しておきたい。

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2005/03/13

レディ・ジョーカー

製作年:2004年
製作国:日本
監 督:平山秀幸

ある日、業界最大手の日之出ビール社長・城山がレディ・ジョーカーと名乗る犯行グループによって誘拐された。合田刑事ら捜査陣は早急に事件解決へ向けて動き出す。だが誘拐の2日後、犯人側は突然、城山を解放するが…。

平山秀幸は実力ある監督であることがよく分る。本作でも一つ一つの場面の絵作りは見事なものである。しかし残念ながら、それがバラバラになっており大きな太い線になっていない。この原作を映画化する事がいかに困難であったか容易に推察できるが、あまりにも描写不足である。

犯行グループの個々の動機、20億円を支払おうとする会社のあり方、警察内部の対立など、大きなテーマが消化しきれていない。少なくともタイトルにつながる<レディ・ジョーカー>の由来は説明されてしかるべきであろう。

合田刑事は原作のイメージ的に中井貴一の方があっていると私は思う。

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2005/03/12

ロマンシング・ストーン 秘宝の宝

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製作年:1984年
製作国:アメリカ
監 督:ロバート・ゼメキス

ロマンス作家のジョーンは外出して帰宅すると、部屋中が荒されていた。やがてコロンビアにいる姉イレインから電話が入る。彼女はギャングに誘拐されており、夫が送った地図を持ってコロンビアに来てほしいというのであった…。

昔観たときには、メチャクチャ面白かったと記憶していたが、今回観直してみると、さほどでないのでガッカリ。こういう事もある。

秘宝を発見するくだりがあっさりしたものだし、ドラマ展開も安易過ぎる。何より、ダニー・デビートがもっと主人公たちと絡んでくるかと思っていたのだが、脇で騒ぎまわるだけでつまらないものだった。

良かったのは、ジェーン(キャスリーン・ターナー)が書く小説とは違い、男性に助けられることなく自分自身で危機を脱出するところ。ここに皮肉な視点がある。

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2005/03/11

ゴシカ

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製作年:2003年
製作国:アメリカ
監 督:マチュー・カソビッツ

女子刑務所の精神科病棟で働く女医のミランダは、ある雨の夜、帰宅途中に不気味な少女を目撃し事故を起す。気がつくと、夫殺しの殺人犯として精神病棟に隔離されていた。ミランダはその夜の記憶をなくしていたが…。

もっと別のタイプの映画を予想していたのだが、悪い意味で裏切られてしまった。ヒロインが「理屈じゃない!」と言う場面があるが、いくら超自然現象が出てくるにしても、ある程度の必然性、論理性を最低限保っていないと映画は壊れてしまう。

少なくともヒロインが本当に精神障害を患っているのかどうかの疑惑をもっと大切に扱って欲しかった。そうすれば、もっとミステリー色が強まり、集中して観ることができたであろう。

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2005/03/10

トリコロールに燃えて

製作年:2004年
製作国:アメリカ/イギリス/スペイン/カナダ 
監 督:ジョン・ダイガン

1933年イギリス。ある夜、貧しい学生ガイの部屋へ上流階級の美しい娘ギルダが飛び込んでくる。恋人の教授と喧嘩し行き場をなくした彼女はガイの部屋に泊まる。それをきっかけに二人は親しくなっていくが…。

34歳までしか生きられないとする宿命があったとする。それに従って生きるのも運命、それに逆らって生きるのも運命。自分の生き方を選べない筈はない。

ギルダ(シャーリーズ・セロン)は奔放で刹那的な人生を送ろうとするが、失ってしまったガイ(スチュアート・タウンゼント)やミア(ペネロペ・クルス)によって別の人生を選ぶ。それは悲しく報いられないものであったが、決然と生きた高貴な輝きがある。

印象に残った場面がある。スペインから戻ってきたガイと再会した時に見せるギルダの驚愕と歓喜と恐怖の表情。ガイの再会の喜びが絶望へと瞬間的に変化する。台詞なしで主人公たちの気持ちを伝える名場面であった。

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2005/03/08

夜になるまえに

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製作年:2000年
製作国:アメリカ
監 督:ジュリアン・シュナーベル
原作:レイナルド・アレナス

1943年、キューバに生まれたアレナスは詩に夢中となり、20歳で作家としてデビューをはたす。だが、カストロ独裁政権下では、芸術家、しかもホモセクシャルであるアレナスは激しい迫害の対象となってしまうが…。
2000年第57回ヴェネチア国際映画祭で男優賞、審査員グランプリ賞を受賞。

1990年にニューヨークで客死したキューバの亡命作家レイナルド・アレナスの生涯を描いた作品。自由への飽くなき願望、そしてその挫折が何度も繰り返し挿入される。

単にキューバの体制批判であるなら、アメリカでの雪のシーンで終って良かった筈だ。映画はその後も続く。アメリカで暮らしていても心休まる日々は訪れない。詩的に挿入される子供時代の風景と寒々しいニューヨークの室内、その対比。

ショーン・ペンの登場シーンを見過ごしてしまった。

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2005/03/07

ポロック 2人だけのアトリエ

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製作年:2000年
製作国:アメリカ
監 督:エド・ハリス

1941年、ニューヨーク。29歳の新進画家ポロックは、兄夫婦の家に居候しながら創作活動に励んでいた。だが、彼はアルコール依存症に陥って以来、不安定な精神状態を抱えている。自らの才能に自信を持てないでいたが…。
2000年第73回アカデミー賞でマーシャ・ゲイ・ハーデンが助演女優賞を受賞。

製作まで10年以上の月日を費やしたエド・ハリスの気迫が画面にみなぎっている。アクション・ペインティングの製作シーンは演技を超えたものを感じる。

ポロックの絵は、何度か美術館で観たことがあるし、近年「モナリザ・スマイル」(2003)の中にも登場してきたが、どんな生涯を歩んでいたのか分らなかった。本作を見て、繊細な精神に自ら翻弄される天才であったことをようやく知りました。

一番印象深い場面は、どんなに酔っ払っても自分の作品は汚さないところ。批評に翻弄さえながらも、揺ぎ無い作品への愛情にアーティストとしての誇りを感じました。

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2005/03/06

僕はラジオ

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製作年:2003年
製作国:アメリカ 
監 督:マイク・トーリン

1976年、サウス・カロライナ州。知的障害を持つラジオはショッピングカートを押していつも街を歩いている。ある日、ハナ高校のアメフト部員からいじめにあう。アメフトコーチのジョーンズはラジオを助けるが…。

何故、ジョーンズ(エド・ハリス)は、周囲の非難に屈することなくラジオ(キューバ・グッディングJr.)を救おうとするのか?そういう見る側の疑問をうまく掻き立てる脚本が巧い。

「本当に大切なもの以外は横にどけておけ」という至言に沿ったジョーンズの決断にも胸が熱くなります。

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2005/03/02

チェブラーシカ

「チェブラーシカ」★★★★(DVD)
1974年ロシア 監督:ロマン・カチャーノフ
原作:エドワード・ウスペンスキー (アニメーション作品)

かわいい容姿の架空の動物チェブラーシカが繰り広げるほのぼのした日常を描いたハートフルでキッチュなキャ
ラクターアニメ。1969年から74年に作られた20分の短編作品が3本収録されている。

共産主義の政治的メッセージも今となっては懐かしく感じられる。だが、それらを超越して、映画全体が哀愁を帯びている。

学問上の分類が不可能という理由から動物園を追い出されてしまう架空の動物チェブラーシカ。一人暮らしの寂
しさを紛らせるため、友達募集の張り紙を張り出すわにのゲーナ。

孤独感に強く彩られたキャラクター達。もの哀しいゲーナの唄う歌。

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2005/03/01

太陽に灼かれて

「太陽に灼かれて」★★★★★(BS)
1994年ロシア フランス 監督:ニキータ・ミハルニコフ
出演:オレグ・メンシコフ インゲボルガ・ダクネイト
    ナージャ・ミハルコフ ニキータ・ミハルニコフ

1936年、ある日。突然ドミトリはマルーシャの家を訪れる。マルーシャはロシア革命の英雄コトフ大佐の妻となり、ナージャという娘がいた。二人は恋人同士であったが、ドミトリは突然、姿を消してしまった過去があったが…。1994年第47回カンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞。

劇中、何度が出てくる不思議な発光体。それは、ドミトリ(オレグ・メンシコフ)の復讐の炎、なくしてしまった恋人へ
の想い、家族の団欒へ憧れなど様々な感情が集積したものではないだろうか。

ナージャ(ナージャ・ミハルコフ)の無邪気な笑いと対比して鮮明に浮かび上がってくる運命の刃。

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