製作年:1998年

2009/09/29

スフィア

製作年:1998年
製作国:アメリカ
監 督:バリー・レヴィンソン

最初から最後まで中途半端さが付きまとって離れない感じであった。ダスティン・ホフマン、シャロン・ストーン、サミュエル・L・ジャクソンの主演クラスだけでなく、脇に回ったピーター・コヨーテ、リーヴ・シュレイバー、クイーン・ラティファという俳優陣もかなり豪華であるのに、それが活かされていない。巨大な球体“スフィア”の影響を受けたのは誰かということも早々に映しているので、ミステリー的興趣も高まってこない。海中サヴァイバルへの展開も予想されただけに意外性に乏しい。

彼ら三人が最後に選んだ願望が唯一、おっと思わせるものであったけれど、その結論であるなら、この2時間を越えるドラマは一体何だったのかという、徒労感だけが残ってしまうのであった。

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2008/04/01

プライベート・ライアン

製作年:1998年
製作国:アメリカ
監 督:スティーヴン・スピルバーグ

戦争というものは、本当に残酷なものだと思う。何のために殺し合わなければならないのか。ライアン二等兵を探すというメイン・プロットは外れるが、途中の戦闘で捕虜となったドイツ兵とアプム伍長(ジェレミー・デイヴィス)の逸話が心に残る。この二人の関係は本当に皮肉なものであるし、生き残った者に深い傷を残すものだ。戦争が続く限り、こうした悲劇は繰り返される。

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2005/07/14

ウェディング・シンガー

製作年:1998年
製作国:アメリカ
監 督:フランク・コラチ
出演:アダム・サンドラー ドリュー・バリモア
   クリスティーン・テイラー アレン・コヴァート

後に「ウェディング・プランナー」(2001)や「最後の恋のはじめ方」(2005)など同系譜の作品が作られ続けている。他人の結婚や恋愛を導くサービス業に従事しながら、いざ自分の場合には対処できず途方に暮れるという皮肉さが、普遍的面白さを保っているのだろう。

本作品にかかっている80年代の音楽が懐かしい。自分はほとんどのナンバーを知っており、聴いているだけで血が騒ぐ。おそらく自分と同時代に生きた者たちが製作しているのだろう。ジョージ・ルーカス監督の「アメリカン・グラフィティー」(1973)を連想させる。

本作品のポイントは、なんと言ってもドリュー・バリモアだ。彼女の全キャリアの中でも最高にチャーミングな笑顔を見せてくる。ただ可愛いということではない。あの「E.T.」(1982)にも出演していた子役スター時代から、酒や薬物中毒、自殺未遂など私生活が荒れ果て、一時は映画界から消えてしまうのではないかと思われていた。それでも「ガンクレイジー」(1992)のような汚れ役や、「バットマン・フォーエヴァー」(1995)のような添え物的役柄にも甘んじて仕事を続けてきた。それが本作品では結婚に憧れる娘を天真爛漫に演じて、見事にキャリアを復活させたのだ。あの笑顔の裏にそういう事が感じられ、感慨深く感じる。

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