マディソン郡の橋
製作年:1995年
製作国:アメリカ
監 督:クリント・イーストウッド
公開当時、アクション映画のイメージが強かったクリント・イーストウッド監督が、一大ブームを巻き起こしロバート・ジェームズ・ウォーラーの原作を映画化したことは大きな驚きであった。イーストウッドと純愛ドラマが結びつかなかったのだ。
しかし、その危惧はいい方に外れ、抑制の効いたドラマ展開に深い感銘を受けた。こうして時間を置いて再見してみても決して色褪せることはない。
「何を選択するかが、人生」という、フランチェスカ(メリル・ストリープ)の言葉が深く心に刻み込まれる。屈指の名場面となった雨中での別れのシーンも、この台詞があるからより哀感を高めることになる。
好きだったら何をしてもいいというマイク・ニコルズ監督の「卒業」(1967)とは対極の世界であり、それが鮮烈に感じられる。簡単に世間の目などと関係ないと言えるのは人生の辛酸を何も知らないからであろう。
世間の目の前で、諦めなくてはならないこともある。辛くても何かを選択しなければならない人を描くということで、「ミスティック・リバー」(2003)や「ミリオンダラー・ベイビー」(2004)などと繋がっていく。
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