フィラデルフィア
製作年:1993年
製作国:アメリカ
監 督:ジョナサン・デミ
フィラデルフィアの一流法律会社に務めるアンドリューは重要な案件を任されたが、同時期にエイズと宣告される。その事を会社には黙っていたが、ある時、ウィラー社長から解雇されてしまう。不当な差別によるものと怒ったアンドリューは損害賠償と地位の保全を求めて訴訟を決意するが…。
第66回アカデミー賞でT・ハンクスが主演男優賞、B・スプリングスティーンの「Streets Of Philadelphia」が主題歌賞を受賞。第44回ベルリン国際映画祭でT・ハンクスが主演男優賞を受賞。
本作品でもっとも有名なのは、アンドリュー(T・ハンクス)がジョー(D・ワシントン)の前でマリア・カラスのアリアを聴く場面である。今回再見したことで発見だったのは、帰宅したジョーの家でもそのアリアが延々と鳴り響いていたことであった。その中で、ジョーは既に寝ている娘や妻を抱きしめる。生命の持つ尊さや美しさを目の当たりにし、ジョーは切ない感情を自分の家族によって癒そうとしたのではないか。
J・デミ監督は、全般的にクローズアップを多用し、登場人物達の微妙な心理の動きを力強く描いている。元々品格ある人物を得意とするD・ワシントンンなので分かりづらいが、ジョーという男はテレビCMに出ていたり事あるごとに名刺を配ったりとかなり俗っぽい人物である。その彼がこの裁判を通していかに変わっていくかが最大のポイントである。「問題はエイズではなく、ゲイ差別だ」と看破する場面も良い。
もっとも印象深いのは、図書館での場面。日常生活の差別とはこういうものだと痛烈に感じさせます。
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