製作年:1985年

2005/08/09

ロッキー 4 炎の友情

製作年:1985年
製作国:アメリカ
監 督:シルベスター・スタローン

かつて、ニ度にわたり壮絶なヘビー級タイトルマッチを演じたロッキーとアポロは、今では固い友情で結ばれていた。ある時、ソ連のアマチュアチャンピオン、ドラゴが渡米し、ロッキーとの試合を要望する。そのニュースを聞き、アポロは自分が代わりに闘いたいとロッキーに直訴するのだが…。

本作品をロードショー公開時に観た時には、非常に面白く感激して観たのが、こうして約20年ぶりに観直してみると直線的で分りやすい描写に苦笑してしまう。シルベスター・スタローンが何を訴えたいのか、非常に明確でいいのだが、映画としての深みに欠ける。

とは言え、好きな場面がたくさんあることは間違えない。一作目の頃の貧困生活が嘘のように大邸宅に住み、スポーツカーを乗り回すロッキー(シルベスター・スタローン)。ドラゴ(ドルフ・ラングレン)との試合が決まりロシアの雪山でトレーニングに励む。その際、ドラゴが科学者によって最新鋭の機械的なトレーニングなのに対して、ロッキーはロッジにあるものを使って原始的なトレーニングを行う。この対比の妙。ロッキーに野性味が失っていないことを示す。そして、雪山に上ってガッツポーズをするのは、このシリーズのトレードマークのようなものだが、分っていても胸熱くなる。

ジェームズ・ブラウンの歌う「リビング・イン・アメリカ」が挿入されている。当時のMTVとリンクされた作りに、懐かしさを覚える。

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2005/06/19

ペイルライダー

製作年:1985年
製作国:アメリカ
監 督:クリント・イーストウッド

ゴールド・ラッシュ時代のカリフォルニア、カーボン峡谷。他の峡谷が鉱山会社を経営するラフッドに牛耳られている中で、このカーボンだけは独自の採掘権を保持していた。だが、この峡谷を手にしようするラフッドから激しい嫌がらせを受けていた。その争いに巻き込まれ、ミーガンは愛犬を失ってしまうが…。

森でミーガン(シドニー・ペニー)が殺された犬の墓前で神に奇跡を願うシーンと、エンドクレジットの背景で映された山々。それらが霧で徐々に覆われていく。物語の始めと終わりに霧が絶妙に使われ、神秘的な雰囲気をかもし出す。「ベアーズ・キス」(2002)でもそうだったが、霧は幽玄な世界への前奏曲である。

ストーリー自体は特別に目新しいものでなく、主人公の設定などは自作の「荒野のストレンジャー」(1972)と似たニュアンスもある。しかし、その見せ方が卓越している。クリント・イーストウッド演じる牧師の正体をそれとなく暗示させながら、はっきり描かぬところが深い余韻を残す。

印象深い場面は、牧師とハル(マイケル・モリアーティ)が巨大な石をハンマーで叩き壊そうとするところ。嫌がらせに耐えかね気持ちがバラバラになっていた峡谷の人々が、二人の熱気にほだされて再び気力が呼び起こされる。一点に集中している者の姿は、多くの人の目をひきつけて離さないし、力も湧いてくる。

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2005/04/10

刑事ジョン・ブック 目撃者

製作年:1985年
製作国:アメリカ
監 督:ピーター・ウェア

ペンシルヴァニア州に文明社会から離れ厳格な規律に従って暮らしているアーミッシュの村があった。そこで暮らす未亡人のレイチェルは一人息子のサミュエルと一緒に、妹の住むボルチモアに向う。その途中のフィラデルフィア駅で、サミュエルは殺人事件を目撃してしまう。彼らはジョン・ブック警部に保護されるが…。
1985年第58回アカデミー賞で脚本賞と編集賞を受賞。

レイチェル(ケリー・マクギリス)ら親子が馬車で駅に向っていく場面。馬車をアップで捕らえながら、牧歌的な風景から交通渋滞を引き起こして場面へ鮮やかに転換していく。アーミッシュという共同体が一歩外へ出ると、社会に適合されていないことを一瞬で伝える。その描写力に唸る。

ジョン(ハリソン・フォード)が事件に巻き込まれるくだりにやや乱暴なものを感じるが、情感豊かで静謐なアーミッシュの生活描写が心を落ち着かせる。

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