懺悔
製作年:1984年
製作国:ソ連
監 督:テンギズ・アブラゼ
何故、独裁政治が罷り通ってしまうのだろうか。勿論、独裁を強いるだけの強制力を備えた軍事権力を掌握しているから、誰も逆らえなくなってしまうのであるが、そこに到るまでの道を用意しているのは一般大衆であることがなんとも皮肉的である。英雄として持ち上げながら、手痛いしっぺ返しを喰ってしまう。
ヒトラー、ムッソリーニ、スターリンという悪名高い独裁者の特徴を寄り集めたヴァルラム市長(アフタンディル・マハラゼ)も、その一人である。ただ、本作品を見ていて気になったのは、独裁政治の犠牲になったのは、ケテヴァン(ゼイナブ・ボツヴァゼ)一家だけではなかっただろうに、他から非難の声があがってこないことである。葬儀は盛大に行われ、参列者たちは大いに嘆き悲しむのである。ケテヴァンが裁判で、自らの悲劇を語り始めて驚くことになるのであるが、そんな独裁者っているのであろうか。
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