大統領の陰謀
製作年:1976年
製作国:アメリカ
監 督:アラン・J・パクラ
新聞報道をきっかけに辞任に追い込まれた現職の大統領。欺瞞、偽装を拭い去り、隠された真実を追い求めた新聞記者。かれらを擁護する腹の太い編集デスク。かつてそんな男たちが存在していたのだ。ウォーターゲート事件の真相を突き止めたワシントン・ポスト紙記者の活躍を描いた本作品は、心奮えるような緊迫感と迫力に満ちたまぎれもない傑作である。そして、時間が経てば経つほど神話性が高まっていく予感がする。
例えば、こんな権力の犯罪を追求できる新聞記者、それを許す新聞社が、いまこの時代にあるのだろうかという思いがある。新聞社の変貌は「消されたヘッドライン」(2009)でも明らかであったが、経済的余裕のなさが報道の根を啄ばむ。ボブ・ウッドワード(ロバート・レッドフォード)やカール・バーンスタイン(ダスティン・ホフマン)のような真実を追い求めるジャーナリズムの魂が、消されることなく残っていてほしいと祈るのみだ。
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