肉弾
製作年:1968年
製作国:日本
監 督:岡本喜八
2009年8月シネ・ヌーヴォで“映画のアルチザン・岡本喜八”という、全作品39品上映される魅力的な特集上映があった。結構、岡本喜八作品は見ているような気がしていたが、あらためて数え直してみると、確実に見たと言えるのが6本。見た筈だけど記憶があやふやなのが4本だった。できれば毎日に様に通いたいと思っていたが、そうそう時間もなく代表作として挙げられる本作品をなんとか見ることが出来た。
テンポよい展開。洒脱なスタイル。ユニークな風刺精神。やはり期待に違わぬ傑作であった。その当事者でなければ分からない想いがあると思う。太平洋戦争終戦末期、学徒招集されて特攻作戦を命じられる“あいつ”(寺田農)。作戦遂行直前に一日だけ与えられた休日。そこで出会う様々な人々。強烈な作家性を感じられるのは、なんといってもラスト・シーンだ。あの骸骨は岡本監督自身の怨念なのだろう。果たされることもなく、今も海に漂っているのではないか。
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